人間は他の哺乳類と違い
歩く際、前肢に相当する手を用いず、直立二足歩行をするが、それはたいへんな冒険を試みているわけで、歩行中の一瞬は片足立ちをしていることになり、まさに一輪車をこいでいるのに等しい。
それが可能になったのは、人間の神経、筋肉、感覚の機構が格段に発達するようになったからである。
手は本来、前進運動器官であったわけであるが、人間の手は前進運動の負担から抜け出て、人間の意志を周囲に対して果たす積極的な器官と化した。
歩くことは足に任せて、手はバランスをとるため前後に振られるが、それは次の仕事にとりかかる準備運動だともいえる。